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梅雨が明けお盆をむかえるにあたって
梅雨明けとは、通常、日本の梅雨と呼ばれる雨季が終わりを迎え、晴天が続くようになることを指します。梅雨が明けると気温は一気に上昇し、湿度が下がることが特徴です。この時期は多くの地域で気温が30度を超え、夏らしい天気が始まります。
梅雨明けを迎えると東京や一部の地域ではお盆の行事が行われます。その他の地域では1ヶ月遅れの8月にお盆の行事が行われます。
お盆の行事と繋がりのある「盂蘭盆経」に説いてある逸話を紹介します。
お釈迦さまの弟子の1人である目連尊者(もくれんそんじゃ)は「神通第一」といわれる神通力の持ち主でした。神通力は修行によって得られる超人的な能力です。
ある時、目連尊者は亡くなった母が今どこで何をしているのだろう…と思いました。そこで神通力で母を探しました。極楽浄土を探しても母の姿は見当たりません。亡くなったのですから人の世界にもいません。そこで地獄の世界を探すと餓鬼の世界に母が落ちているのを見つけました。目連尊者は痩せ細った母を救おうと神通力で食べ物や飲み物を母へ差し出すのですが地獄の熱によって食べ物は炭に、飲み物は蒸発してしまいます。自分の力では救うことができないのでお釈迦さまに相談しました。目連尊者から話を聞いたお釈迦さまは「それは自業自得だ、目蓮よ、あなたのお母さんは目蓮の事を想って一生懸命だったがその想いが強すぎて、目蓮さえ良ければ!と他の者へ施すことをしなかった。その報いとして今餓鬼の世界に落ちているのだ。だから目蓮よ、あなたのお母さんができなかった他の者への施しを代わりに行い、功徳を施せばお母さんを救うことができるだろう」とお話しされたと言う事です。
目連尊者はお釈迦さまに教えてもらった通りに修行僧仲間、周りの人たちに食べ物や飲み物や寝床を施しました。その施しに皆、大変喜び、その喜びは餓鬼の世界まで伝わり目連尊者のお母さんが餓鬼の世界から救われたということです。
それを知った修行僧や周りの人たちはより一層、大いに喜び、歓喜の踊りを踊ったといわれています。この踊りが「盆おどり」の始まりだといわれています。
このお話は自分だけでなく、ご先祖様をはじめ、両親や家族、縁のある人たちを想い、感謝の心で施しをしていく大切さが説かれています。
お盆をご縁にして少し時間を作り、自分の心と向き合い、静かに手を合わせ、感謝と喜びの日々を過ごしていけたらと味わうことであります。